【第119回】
就学前に済ませておきたいワクチン
4月になると新しい生活が始まり、小学校に入学するお子様もたくさんいらっしゃると思います。ここでは就学前に済ませておいた方が良いワクチンについてお話ししたいと思います。
まずは予防接種についてです。
細菌やウイルスなどの病原体によって引き起こされるさまざまな感染症があります。病原体が作り出す毒素の力を弱めたものや、その働きをとめたものを接種することで、その病原体に対する抵抗力をつけ、感染症にかかることを予防し、重症化を防ぐことができます。
一人ひとりが感染症にかかることを予防することはとても大事ですが、集団で予防することで感染のリスクを減らしたり、ワクチンを接種できない人を守ったりするためにも、接種率を高めることが重要です。
就学前に接種すべきワクチンを下記に示します。
定期:MR(麻疹・風疹)
任意:おたふく、3種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風)、ポリオ
これらのワクチンは0歳・1歳の時に接種しているものですが、免疫をより確実にし、感染を防ぐため、就学前に追加で接種しておくことが大切です。
それぞれの病気について簡単に説明します。
麻疹
高熱、咳、鼻汁、眼球結膜充血、目やに、発疹が主症状です。肺炎や脳炎などの合併症を起こすことがあり、亡くなるリスクの高い病気です。
風疹
発疹、発熱、後頚部のリンパ節腫脹が主症状で、脳炎を起こすこともありますが、特に妊婦に感染すると「先天性風疹症候群」といって先天性の心臓病、白内障、聴力障害、発育発達遅延などの障害を持った時が生まれてくる可能性が高くなります。
おたふく
耳下腺、顎下腺等の腫脹が主症状です。無菌性髄膜炎、膵炎、精巣炎、卵巣炎、難治性の聴力障害を起こすことがあります。
ジフテリア
急性喉頭蓋炎で喉が非常に腫れることで窒息する可能性があります。また、心筋障害や神経麻痺を起こすことがあります。
百日咳
風邪のような症状から始まり、顔を真っ赤にして連続的に咳き込むようになる病気で、乳幼児に感染すると咳で呼吸ができず唇が青くなったり、けいれんを起こしたりすることがあります。また、肺炎や脳症などの合併症を起こしやすく命に関わる場合もあります。
破傷風
菌の毒素によって筋肉のけいれんを起こします。最初は口が開かなくなり、全身の強直性けいれんを起こすようになります。治療が遅れると亡くなる可能性が高い病気です。
ポリオ
感染してもほとんどの場合は症状が出ませんが、脳や脊髄に広がると手足の麻痺が永久に残り、呼吸筋が麻痺すると呼吸困難で亡くなることがあります。
また、Hib、4種混合、肺炎球菌、B型肝炎、水痘、日本脳炎も接種していなければ就学前に済ませておきましょう。
令和8年3月
つばきこどもクリニック(http://tsubaki-kids.com)
椿 英晴



















