病気の話

【第7回】
年をとるとどうして骨は脆くなるの?

骨のお話

 日本は超高齢社会を迎え、現在日本の人口のうち5人に1人は65歳以上の高齢者です。
 これが2060年においては5人に2人となることが予測されています。 この人口の高齢化によって筋骨格系疾患、とりわけ脆弱性骨折の発生が増加していることは深刻な問題となっています。 脆弱性骨折というのは骨が脆くなり日常生活動作のなかでの軽微な外力で容易に起こしてしまう骨折のことで、骨粗鬆症性骨折とも呼ばれています。 代表的な骨折は脊骨や手首の骨折ですが、もっとも重要なものは大腿部の骨折です。この大腿部の骨折を<大腿骨近位部骨折>といい、 寝たきりの原因となります。そして、その予後は極めて不良で死亡につながることが分かっています。
 ではどうして、高齢になると骨が脆くなるのでしょうか?

閉経を迎えると女性ホルモンが減少してしまう

 女性は50歳前後で閉経をむかえると女性ホルモンの分泌が急激に低下してしまいます。 この現象は体にさまざまな変化をもたらしますが、特に骨への影響が強く、骨の代謝を抑えてしまうことが分かっています。 ですから骨粗鬆症の患者さんには女性が多いのです。 しかし、男性も60歳を過ぎるとアンドロゲンという男性ホルモンが減少していきますから、女性ほど急激ではありませんが、骨は徐々に弱くなっていきます。 これを男性骨粗鬆症といいます。
 また、都市型の生活ではほとんど体を動かすことがなく、低活動の状態では骨だけでなく筋力も弱ってきますから、転倒のリスクが高まり、 大腿骨近位部骨折の発生へとつながります。

骨折の連鎖

 前身長が5cm以上縮んだら、背骨の骨折を起こしている可能性が高くなります。 無症状のことも多く、知らない間に骨折を起こしていることがあります。 一度骨折をすると、次々に骨折を起こすことが知られており、これを<骨折の連鎖>といいますが、最終的に大腿部の骨折を起こし、 歩行困難、寝たきりとなってしまいます。

骨粗鬆症の予防

 骨粗鬆症は予防することができます。特に思春期の体を作る時期から、十分なカルシウムやタンパク質などの栄養をとって、運動や日光浴をすることが大切です。 骨のケアは若年齢から高齢まで生涯続けていくことが重要です。

骨粗鬆症の治療

 骨粗鬆症患者さんのためにお薬が開発されています。 さまざまな種類のお薬が保険適応となり、患者さん一人ひとりに応じた治療をすることが可能となっています。 当院では、骨粗鬆症の専門外来を行っており、X線、骨密度、骨代謝マーカーなどの検査で患者さんの骨の評価を行い、病態に応じた治療を提供しています。

社会医療法人河北医療財団河北総合病院
整形外科 骨粗鬆症外来 水曜日午後(一般)
                 金曜日午後(紹介状をお持ちの方)
                 担当医:整形外科臨床部長 田中瑞栄



 
平成27年2月 整形外科医会会長  佐藤正幸
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