杉並区医師会は区民の皆様の健康の保持・向上を目的に、各種健診・休日診療・予防接種・講演会・児童生徒の健康管理・救急及び災害時医療・介護認定審査等の事業を行政(杉並区)とまさに車の両輪の関係で実施しています。
このコーナーでは、杉並区医師会が医療現場から得られた情報を基に医療の専門家としての対策を考え、その具現化した内容を医療情報として皆様に発信することを目的としています。
【第6回】特定保健指導について [2011.11.16掲載]
Q1.
保健指導ってなんですか?
平成20年度より、従来の区民健診が「生活習慣病に着目した特定健康診査」に変わりました。
つまり糖尿病、高血圧、高脂血症など内臓肥満症候群(メタボリックシンドローム)による生活習慣病を病気になる前に予防して、
医療費を削減しようという政府の考えが基本となっています。
その特定健診の結果、メタボリックシンドロームと判定された人に対し体重、腹囲を減らすことにより、内臓脂肪をとる方法を指導することです。
Q2.
どんな人が指導を受けるのですか?
健診の結果、腹囲が女性で90cm、男性で85cm以上の内臓肥満と判定され、さらに血糖値、コレステロール値、血圧などにある程度の異常が見られた人が対象となります。
実際には対象者には特定保健指導利用券がパンフレット共に送られてきます。
治療が必要な病気と判断された場合は対象とはなりません、お近くの医療機関を受診してください。
Q3.
どんなことをやるのですか?
パンフレットと保健指導利用券が送られてきましたら、まず、パンフレットにある指導実施機関に連絡して予約を取っていただきます。
指導の内容は動脈硬化の要因である血糖、血圧、血中脂質がどのくらい悪いか、さらに喫煙の習慣の有無により、積極的支援と動機付け支援とに分けられます。
実際の指導は専門スタッフ(医師・保健師・栄養士など)による20分以上の個人面談かグループ支援が実施されます。ひとりひとりに合わせた具体的な目標を定め、内臓脂肪を減らすための食事、運動などを指導します。積極的支援の対象の方は一ヶ月ごとに、電話やメールで指導を行ますが、動機付け支援の方は6ヶ月後に生活習慣の改善状況を振り返り1回の特定保健指導が終了します。
目標を達成できなかった人はもちろん、できた人もさらに努力を続けて生活習慣病にかからないようにすることが大事です。継続が必要なのです。