どうなっているの?杉並の医療

杉並区医師会は区民の皆様の健康の保持・向上を目的に、各種健診・休日診療・予防接種・講演会・児童生徒の健康管理・救急及び災害時医療・介護認定審査等の事業を行政(杉並区)とまさに車の両輪の関係で実施しています。
このコーナーでは、杉並区医師会が医療現場から得られた情報を基に医療の専門家としての対策を考え、その具現化した内容を医療情報として皆様に発信することを目的としています。

【第1回】救急医療について [2010.12.27掲載]

杉並区内に救急救命センター(三次救急病院)がありませんが、杉並区民に対する救急医療が他の区と比較して劣っているのでは?

この点につきまして、平成21年8月から平成22年3月にかけ杉並区と杉並区医師会が協力し「地域医療提供体制調査検討委員会」を立ち上げ、救急医療の現状と問題点について検討いたしました。

1) 搬送時間について 
杉並区内から区外病院への救急隊搬送時間は、杉並区南部の地域に多少長い傾向がありました。

2) 搬送先について
重症患者さんは近隣にある(大学病院など)大きな病院へ搬送されています。

3) 搬送された患者さんについて
武蔵野日赤病院のデータですが、練馬区・杉並区などからの搬送時間が多少長い患者さんであっても救命率に大きな差はありませんでした。

4) 杉並区内の入院病床数について
杉並区人口から算出した必要病床数に現在の区内入院病床数が満たない状態であります。
慢性期疾患に対するベッド数を含め増やす必要性があると思われました。

5) 結論
杉並区内に救急救命センター(三次救急病院)がないことで、杉並区内の救急患者さんにとって大きな不利益がある状態とは言えないようです。
したがって杉並区内に救急救命センターを新たに建設するよりも、現在ある二次救急病院を整備し、さらにベッド数を増やすことが必要と思われました。

↑ページの一番上へ